クリナ@Rのぼのぼのブログ

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優雅に舞うハチロク もう一つのハチロク伝説 第二部

第22話 優雅に舞うハチロク
22:00 秋名山
拓「来た」
姫「、、、」
拓「俺さ、あの日の配達の帰りでアンタのハチロクを見た時にこの人やべえ、負けると思った、、けどバーストでアンタのハチロクが失速した時にモヤモヤとした感じが芽生えたんだ」
姫「あの日は長く走り込みしてたから仕方なかったけど、私もちゃんとしたバトルをしたら何か変わるんじゃないかと思った、、今日はあの日の決着を付けたかった」
拓「俺は今日、、アンタに勝つためこの秋名にやってきた、、俺は藤原拓海」
姫「私は安藤姫、、お互い納得がいくバトルにしましょう」
ハチロクvsハチロクというカード、更にはお互いが秋名を知り尽くした走り屋同士、、このバトルは相当なハイレベルなバトルになるが、このバトルは誰も見ることが無かった
つまりはバトルの結果は走った者同士しか分からないのである
五連ヘヤピン前
姫のハチロクが前で拓海のハチロクが後ろにいる状態である。
姫「このコーナーは私の得意コーナー、、私と同じスピードで越えれるかしら?」
姫が秋名で最も得意としているのは秋名の途中にある長いストレートからの左コーナーである。このコーナーはストレートでスピードが出ている状態からフルブレーキして侵入し、クリアしていくものである。
だが姫はそのコーナーを早めにマシンを振り、慣性ドリフトの状態から細かなフットワークとハンドル操作で切り抜ける
いつもそのコーナーで姫は120km/hを超えて立ち上がる。
拓「なんだよそれは!」
拓海は急に目の前で起きた姫のコーナーへの侵入に戸惑ってしまったが、食らいついて立ち上がる。その時に姫のハチロクと拓海のハチロクとの差は開いてしまった
拓「恐ろしいほど速い、、やるしかない、、立ち上がり重視の溝落とし」
五連ヘヤピン
姫「溝落としをして差を引き伸ばすしかないが、拓海君も同じように仕掛けれる、、後はタイヤへの負担を抑える」
拓「ここだ、、行っけーー!!」
秋名の溝落としは二つのやり方があると言われている。
コーナーでアンダーを出さずに抜けていく突っ込み重視の溝落としと立ち上がりでスピードを稼ぐ立ち上がり重視の溝落としがある。
この二つの溝落としの違いとして、溝に落とすタイミングとスピード、角度が違うのである。姫が行ったのは前者の突っ込み重視の溝落としである。そして拓海は立ち上がり重視の溝落としを行ったのだ
姫「嘘でしょ、、五連ヘヤピンを抜けて後ろに張り付かれた!!でも、残りは最後のS字しかない、、全力で逃げ切る!」

S字コーナー
拓「ここで抜けなければ負ける!」
姫「タイヤに余力はまだある、、最後まで行かせない!」
拓海のハチロクが先に仕掛け、角度を浅く取り立ち上がりに勝負をかけた
それに合わせるように姫のハチロクも浅くドリフトアングルをつけて抜けていく
完璧なツインドリフトでコーナーをクリアして行った
立ち上がりは拓海のハチロクが速かったが、姫のハチロクのエンジンから引っ張り出される190psが少ないストレートで引っ張り、姫の勝ちが決まったのである。
拓「ふう、やっぱこの人すげぇや」
姫「拓海君こそ相当速かったですよ」
拓「負けたのになんかスッキリとした気分だよ」
姫「私もそう思いますよ、、親父さんによろしく伝えといてください」
拓「ああ、また会えればまた」
姫「ええ」

次回 最終話 「県外遠征に向けて」