優ハチ番外編 安時の過去
悪魔の羽が生える時
Act.3 いろは坂最速の3人集、天使と死神、そして悪魔
事故を起こして数ヵ月後 いろは坂
スキール音とともに二台のマシンが勢いよく第一いろはのつづら折りを下っていく。
安「相変わらず上手いな、GC8を知り尽くした走りだ」
?「上手いように均衡して張り付いている...本当に18の実力か?」
白いランサーエボリューションⅢGSRにラリーで使われているラリーポットを取り付け、独特なサウンドを鳴らして攻めている。
黒いインプレッサWRX STIのⅣ型をワイドボディ化し、水平対抗独特のサウンドを響かせている。
?「しっかし、安時が後ろにいる時にあいつのミスファイアリングシステムの音はプレッシャーを与えてくる...きつい」
一つ一つのコーナーを攻める時にエボⅢから聞こえてくる爆発音はミスファイアリングシステムによるアフターファイアーのサウンドである。ミスファイアリングシステムは須藤京一が操る黒のエボⅢが使用しているシステムである。説明は本編でしているのでここでは省かせてもらう。
麓
安「キレがよくなってるじゃないか白木、後ろから見ても乱れはなかったぜ?」
白「あんがとよ、そういうお前も立ち上がりでリアが乱れなくなってきているし速くなっていってるぜ」
黒いGC8は白木 理雄という男性が乗り廻していた。そこに一人の女性が現れた。
?「あら、その様子だと決着は着かなかったのね」
いきなり現れたこの女性は灰山 めぐ、シルバーのST205を操る走り屋である。
安「めぐ、今日はヒルクライムを中心に走りこんでなかったか?」
め「なによしているわよ、これからアタックしようとしているのに失礼しちゃう」
白「ははは、そうカリカリすんなよ、これから俺らも登ろうとしていたから3人でつるんでいこうぜ?」
め「それもそうね」
セリカ、エボⅢ、GC8の三台が均衡した距離で第二いろは坂を攻める。
走り屋1「あれっていろは最速の三人集だよな?今日は一緒に走ってるんだな」
走り屋2「みたいだな、先頭で走っていたのはめぐさんのST205だから『峠の死神』だな、次にいたのはエボⅢだから安時だったな」
走り屋1「安時って元々神奈川の方で走ってた奴だよね?」
走り屋2「ああ、なんでもわざわざ神奈川から栃木まで走りに来てるっぽいよ?」
走り屋1「まじかよ、しかも18であの実力、一体どんな走り込みをしたらあそこまでいけるんだろうな」
走り屋2「さあな、最後にいたのは白木さんのGC8だったな、めぐさんと安時は白木さんが目を付けてつるんでるみたいだよ」
走り屋1「へえ、『峠の天使』と呼ばれるようになってから更に走りに磨きがかかってるよね」
走り屋2「確かにな、安時がここに来てからそう呼ばれてるな。でも元々天使はいたらしいけど、安時は話したくないらしいよ?」
走り屋1「へえ、何ででしょうかね?過去に何かあったんだろうか?」
走り屋2「それはあいつ自身が知っていることだろう、俺達が知ることではないことだろうしな...あの『峠の悪魔』の過去は深く抉らない方がよさそうだ」
山頂
安「よくなっているなめぐ、突っ込みが良くなってるぜ」
め「ありがと、安時」
白「...本当に18の実力か?場数をかなり踏んだ走りだったぜ?」
安「...話してもいいのか?それに、過去に嫌な出来事も話すことになるぜ?」
め「構わないよ、それに私達がどうして天使、悪魔、死神と呼ばれることになったのか知りたいし」
安「分かったよ...昔は神奈川で走っていたんだ...」
数分後
め「そんなことがあったんだ」
白「ああ、どうりで速いわけだ、それに...俺がその聖域の天使のあとを継いだことになるのか...」
め「まあ、私達三人が最速として一緒にがんばろうよ」
白「そうだな」
蓮二の実力に似ている白木に出会い、俺は三人で一緒に走ることにした...だが、まさかあの出来事がきっかけでこの関係が崩れてしまうなんて今この頃の俺は気付かなかった...
To Be Continued..
次回「崩れた関係」